本日取り上げるのは、「学びの多様化学校」についてです。
最近以下の記事でも取り上げられており、注目度が上がってきておりますので
改めて整理してみたいと思います。
学びの多様化学校(不登校特例校)とは
文部科学省によると、以下の定義となります。
不登校児童生徒の実態に配慮した特別の教育課程を編成して教育を実施する必要があると認められる場合、特定の学校において教育課程の基準によらずに特別の教育課程を編成することができる学校(学校教育法施行規則第56条、 中学校第79条、高等学校第86条、中等教育学校第108条準用)。
特別の教育課程とは、以下のようなものが挙げられます。
・少ない授業時間数の編成も可能
(授業時間数は法律で決まっているが、特例校はこれを下回って編成可能)
・通学時間の配慮(子どもの状態にあわせた始業時間の変更等)
・子どもの学習状況にあわせた少人数指導や習熟度別指導
・子どもの実態に即した支援(家庭訪問や保護者への支援や、SSW等にの福祉や医療への接続)
学びの多様化学校(不登校特例校) 一覧
2024年4月時点では、全国に24校あり、設置形態も様々です。
・公立学校(14校)、 私立学校(10校)
・小学校(5校)、 中学校(18校)、高等学校(3校)
・学校型(13校)、分教室型(9校)、 コース指定型(2校)
「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」の
中でも、将来的には全国300校を目標とすることが記載されております。
各県の設置状況は、文部科学省の以下画像を引用させていただきます。
より具体的なイメージを確認したい方は、以下の記事をご確認ください。
学びの多様化学校(不登校特例校) 入学条件
対象となる児童生徒の範囲は以下2通りとなります。
・不登校状態である児童生徒
(不登校の定義は、「何らかの 心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者(ただし、「病気」や「経済的理由」による者を除く。)、かつ年間30日以上欠席している児童生徒」になります)
・不登校傾向が見られる児童生徒
入学にあたっては、体験入学や面談等を通して
「入学が適当か?」「継続して通学が可能か?」の観点から審査が行われます。
学びの多様化学校(不登校特例校) フリースクールとの違い
不登校児童生徒の居場所の選択肢として挙がる「フリースクール」との違いについて、以下の表で整理します。
不登校特例校、フリースクール共に学校によってその実態は大きく異なりますので、ここでは比較がしやすい項目に絞って比較を行います。
学びの多様化学校(不登校特例校) | フリースクール | |
運営 | 教育委員会、学校法人 | 民間団体 |
費用 (入会費等除く) | 公立学校:無料 私立学校:平均額は以下 – 小学校:412,000円/年 – 中学校:568,400円/年 – 高等学校:520,400円/年 | スクールによって異なるが、 平均額は約33,000円/月(年間換算すると396,000円) |
卒業認定 | 一般の学校と同じく 卒業資格を得ることができる | 在籍校の校長判断 |
特徴 | 不登校児童生徒の実態にあわせて、 授業時間数や通学時間、指導法等が配慮されたている | 個別の学習に加え、社会体験、自然体験、調理体験、芸術活動、スポーツ体験等の体験活動に重点が置かれていることが多い (運営団体により、方針は大きく異なります) |
フリースクールの実態については、文部科学省による以下の調査が参考になります。
文部科学省「小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う 民間の団体・施設に関する調査」
学びの多様化学校(不登校特例校) まとめ
本記事でも引用しました、文部科学省のマニュアルがとてもわかりやすかったので、
詳細を確認されたい方は是非ご覧ください。
文部科学省では、目標の300校に向けて、学びの多様化学校の運営について豊富な知識と実践経験を持った方を「マイスター」として派遣する事業も2024年1月9日~2月29日間で行っております。
不登校の生徒の実態にあった柔軟な環境が整備されているようですので、
是非多くの方がアクセスできるよう全国に増えていけば良いなあと思います。