不登校を理解するためのおすすめ書籍5選|保護者・支援者・子どもの状況別に紹介

書評

 

今まで相当数の不登校に関連する書籍を読んできましたので、
ここで改めて、今回は保護者の方、支援者の方向けに
困っていることや、知りたい内容、状況ごとに
おすすめの書籍をまとめていきたいと思います。

ご自身にあった項目をご覧ください。

 

不登校について大枠を知りたい

こどもが不登校になった、もしくは学校を欠席がちになっている等の状況では、
まず不登校になったときの状況を広くフラットに知ることが
お子さん、そして保護者の方の安心に繋がるかと思います。

そんなときに、網羅的に必要な情報がまとまっているのがNPO法人カタリバさんが出版されている、
「NPOカタリバがみんなと作った 不登校ー親子のための教科書」です。

 

詳細は以下の記事でまとめておりますので、ご興味があればご一読ください。

 

 

 

こどものことを思って頑張られている保護者の方に向けて

学校に行かなくなったとき、お子さんも辛いですが(積極的に選択されている場合、辛くない場合もあるかもしれませんが)、お子さんについてあれこれ思いを巡らせ、いろいろな情報を集め、頑張られている保護者の方も本当に大変かと思います。

 

そんな皆さまには、以下2つの本がおすすめです。

 

「学校に行かない君が教えてくれたこと 親子で不登校の鎧を脱ぐまで」は、不登校の母親が自分の実体験を漫画で記されたものです。

ご自分の実体験を押し付けることなく、試行錯誤されたことから作者の方が感じたことを真摯に伝えてくださりります。

その行動だけでなく考えの移り変わりからも、参考になることがあるかもしれません。

 

 

また、「雨の日の心理学 こころのケアがはじまったら」は、直接的に不登校について書かれた本ではありませんが、
臨床心理士のさんがケアする方々に向けて専門的な情報を柔らかく噛み砕き、説明してくださる本です。

 

ご自身の試行錯誤がきっと無駄ではないということが、専門的な知見からもわかり、
ケアする人の背中をそっと押してくれる一冊です。

 

 

 

村人M
村人M

さて、ここからはさらに具体的にお子さんの特性、状況に応じた本をご紹介いたします。

 

こどもが発達上の特性により困っている時

発達障害、そして発達障害のお子さんが不登校の場合の対応についての本はいくつか読みましたが、
共通の”正解の対応”は存在しない為、読む本によって正反対の対応を勧められていることも少なくはありません。

そのため、さまざまな角度からの情報や提案を知るという意味で、
「発達障害大全 ― 「脳の個性」について知りたいことすべて」をおすすめいたします。

 

実際の本を見るとかなりの厚みに驚きますが、これ一冊で基本的な情報や意見を網羅できると考えると、一冊持っておいて損はないかと思います。

また、内容は各専門家や当事者の方とのインタビューが基になっている為、とても読みやすく、あっという間に読み切ることができます。

 

 

 

こどもがずっと引きこもっている時

お子さんが何らかの要因により、心が傷ついたときには、家に引き篭もるということは
自分を守るために重要なアクションかと思います。

しかしずっとそのままではいられない。

そんなときの関わり方のヒントを教えてくださるのが、「不登校・ひきこもり急増 コロナショックの支援の現場から – アウトリーチの方法」です。

 

NPO法人として⚪︎年間、ひちこもりのこどもたちと関わられてきた〇〇さんが具体的なエピソードとそれをもとにした、アウトリーチ支援のステップを記載されています。

「このステップ通りに実行すれば絶対に何とかなるはず」ということではなく、
「事例やステップから参考になりそうな点などを拾い上げていただく」ような関わり方をおすすめします。

 

 

 

こどもがずっとゲームから抜け出せない時

お子さんがゲームを四六時中している、もしくは、現在学校に行っていないお子さんにゲームを渡そうか迷っている保護者の方におすすめなのが「ゲームと不登校 ~学校復帰へのサインを見逃さないために~」です。

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ゲームを絶対悪とするわけでもなく、しかし容認することもなく、
どのようにゲームを通して子どもを理解し、ゲームから距離を作るのか?がご自身の知見から記載されています。

ゲームのみならず、診断の受け止め方や子どもの本音に応じた関わり方まで、幅広い考察が散りばめられています。

 

 

おわりに

「わからない」ことほど怖いことはないように思います。

だからこそ、本をはじめとする情報をもとに「わかろう」とするのだと思います。

しかし、「わかりえない」ことも、理解しなくてはいけないのではないでしょうか。

「わかりえない」けれども、「わかろう」と努力し続けることで、何かが変わるかもしれない。

 

その努力の一助となれば幸いです。