東京都の不登校特例校一覧|設立年・学校ごとの特徴まとめ

不登校を考える

 

本日は、「学びの多様化学校(不登校特例校)」の実態について、細かく知りたい!という思いのもと、

まずは東京都に絞って、それぞれの学校の特色をニュースを抜粋しながら細かくまとめてみました。

記事末尾に「どんな生徒にあいそうか?」も筆者なりの意見を記載しているので、ご興味ある方は最後までご一読いただければと思います!

 

学びの多様化学校(不登校特例校)とは

学びの多様化学校を噛み砕いて説明すると…

学校に行きづらい子どもたちのために、ひとりひとりに合った特別な学び方をつくっている学校です。通常の学校と同じ「学校」だけど、時間や場所、教え方などを工夫して、その子のペースで学べるようにしています。

概要については、以下の記事で説明しておりますので
定義や入学条件、フリースクールとの違いなどを確認したい場合は以下をご覧ください。

 

 

東京都の「学びの多様化学校(不登校特例校)」一覧

まず、東京都の学び多様化学校(不登校特例校)は令和7年度時点で13校あります。

2024年4月時点では8校だったので、この1年で5校増えております。

 

それぞれ、設立年数や実態を知るべくまとめてみました。

以下は設立年数順になります。

実際の学園生活のイメージが湧くよう、インタビュー記事もまとめましたので、
リンクをご覧ください。

名称住所形態設立
年月
特徴概要参考
八王子市立
高尾山学園
八王子市本校型2004年4月市立小中一貫校。総合的な学習で「講座学習」を週4時間設定。HP東洋経済
東京シューレ
葛飾中学校
葛飾区本校型2007年4月「コミュニケーションタイム」を新設し、協力しながら学ぶ方法を学習。HP
NHK学園
高等学校
ライフデザインコース
国立市通信制
高校
コース
2008年4月「実習・体験型の学習」を通して、社会性・自立性・学習意欲の向上を目指す。HPnote
調布市立
第七中学校
はしうち教室
調布市分教室型2018年4月「表現科」や「個別学習」の時間を新設し、個々の状況に合わせた学習を実施。PDFみんなの教育技術
東京シューレ
江戸川小学校
江戸川区本校型2020年4月「いろいろタイム」を教科として新設し、体験活動を通じて学習意欲を向上。HP
福生市立
福生第一中学校
7組
福生市分教室型2020年4月「プロジェクト学習」を教科として新設し、探究的な学習を推進。HP市HP
大田区立
御園中学校
みらい学園
中等部
大田区分教室型2021年4月「キャリア教育」を新設し、社会的・職業的自立に向けた資質・能力を育成。PDF
世田谷区立
世田谷中学校
ねいろ分教室
世田谷区分教室型2022年4月「キャリアデザイン学習」を新設し、個性の伸長と探究心の充実を図る。HPFNN
東京みらい
中学校
足立区本校型2024年4月ソーシャルスキルトレーニングや個別学習を通じて、自ら考え・行動し、社会に貢献できる力を育む。HP教育新聞
大田区立
大森第四小学校
みらい学園
初等部
大田区分教室型2024年4月新設教科「おおたの未来づくり」により、実社会とつながりながら探究・創造力を育成。PDF教育新聞
港区立小中一貫
教育校御成門学園御成門中学校
港区分教室型2025年4月学習計画・自己調整力を育む「整える時間」などを通じて、自律的な学びと多様な支援を実現。PDF
町田市立
山崎中学校
町田市分教室型2025年4月「探究・表現・体験活動」を通して、自己理解・他者理解・探究心を育む「探究の時間」を設定。PDF
府中市立
浅間中学校
府中市分教室型2025年4月週4日・1日15分の「かがやきタイム」で、デジタル教材を活用した補習・予習・体づくり等を実施。PDF

※特徴の部分は、文部科学省の「学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)の設置者一覧」を要約して掲載しています。

 

学びの多様化学校(不登校特例校)の形態は以下3つに分類されます。

・学校型:廃校などの校舎を活用し、1校全体を学びの多様化学校として設置する方式。
・分教室型:既存の学校の一部学級を対象に指定する方式で、本校自体は指定を受ける必要がない。
・コース指定型:高等学校などにおいて、特定のコースのみを学びの多様化学校として指定する方式。
参考:文部科学省「学びの多様化学校の設置にむけて(手引き)

どんな生徒にあいそうか?

いくつかの観点から、どんな生徒にあうか?を考えていきます。

学校っぽい雰囲気が好きかどうか

不登校を経験された方々へのインタビューや、さまざまなこどもたちと関わるなかで感じたことは、

「学校っぽさ」を求める子と、求めない子が大きく分かれるということです。

 

「学校っぽい」雰囲気を嫌う子は、学校の建物の感じや、ゆるやかであっても時間割があること等に
苦手意識を感じることがあります。

一方で、

「学校っぽさ」を求める子は、「学校っぽい」場所に通えること自体に意味や充実感を感じることがあります。

 

後者の「学校っぽさ」を求めるけれど、今までの在籍校、および在籍クラスに通うことができない子にとっては、

学びの多様化学校(不登校特例校)は良い選択肢かもしれません。

 

勉強・進学への意欲はどれくらいあるか?

あくまで傾向の話になりますが、上記の特徴を見ていただいてもわかるように、

学びの多様化学校(不登校特例校)では将来の「社会的自立」
=「適切に他者に依存したり、自らが必要な支援を求めたりしながら、社会の中で自己実現していく(引用:生徒指導提要)」こと
を目指している為、従来の教科学習よりも「キャリア教育」や「探究学習」、「ソーシャルスキルトレーニング」などに重点が置かれています。

したがって、「中学卒業後に通常の高校に進学したい」「一時的に学びの多様化学校(不登校特例校)に在籍し、その後在籍校に戻りたい」などのニーズがある場合には、学習面での遅れを取り戻すことは環境的には難しい為、適しているとは言い難いかと思います。

物凄く難しく、悩まれることかとは思いますが、こどもたちがどんな将来を目指したいのか、を慎重に話し合いながら決めていくことが重要になるのだと思います。

 

東京都の「学びの多様化学校(不登校特例校)」まとめ

以上、東京都の学びの多様化学校(不登校特例校)の情報をまとめてきました。

上記のどんな生徒にあいそうか?については、概要を掴めるよう”多様”である学びの多様化学校を一括りにして説明しておりますので、

しかし、それぞれの学校が独自の工夫をしておりますので、実際には見学や体験をさせていただき、

見極めていただければと思います。

 

 

ちなみに、東京都独自の不登校対策としては、チャレンジクラス(不登校対応校内分教室)があります。

チャレンジクラスの方向性としては「⼀⼈⼀⼈の⽣徒の学習進度や実態に応じた特別の教育課程編成の在り⽅を研究」と記載されており、学びの多様化学校(不登校特例校)の分教室型との違いが非常に難しいのですが…

武蔵村山市第三中学校の「チャレンジクラス」は学びの多様化学校(不登校特例校)としては掲載されていない為、あくまで別物という扱いになるようです。

 

学びの多様化学校(不登校特例校)・チャレンジクラス(不登校対応校内分教室)・校内教育支援センター等、さまざまな形態、名称が乱立している状態ではありますが、この乱立状況はこどもたちの為に急ピッチで環境整備を進めているからこそのものでもあると思いますので、学んでいる人間としては情報をキャッチアップして、皆様にお伝えしていければと思います。