【書評】学校に行かない君が教えてくれたこと 親子で不登校の鎧を脱ぐまで

書評

ひたすらに不登校に関連する本や論文を読む毎日を過ごしているのですが、
誰かを責めるのではなく、誰に対しても優しく、押し付けることなく、
読み終えたら自然と温かく、前を向けるような、素晴らしい書籍に出会えたのでご紹介です。

前提として、このブログでご紹介している本以外ももちろん読んでおりますが、私が真におすすめしたい!と思う本以外は紹介しておりません。

2023年4月発売、Amazon のカテゴリ「いじめ・不登校」で9月28日現在、
1位の「学校に行かない君が教えてくれたこと 親子で不登校の鎧を脱ぐまで」です。

 

 

・お子さんが不登校、もしくは行き渋りをするようになり、困っている
・不登校の対策など色々試したけれど、正解がわからない
・育児に疲れて来て、少しでも辛い気持ちを感じている

という方に特にオススメの一冊です。

 

「学校に行かない君が教えてくれたこと 親子で不登校の鎧を脱ぐまで」のあらすじ

小学校に入学して1ヶ月、長男が「学校に行かない」と宣言。
まさか自分の子供が不登校になるなんて、想像もしていなかった著者であるお母様が
様々な悩みや葛藤や経験を通して、長男、そして社会の「不登校」に対する偏見と向き合い
前を向いていく実話です。

全編漫画形式ですので、スルスルと読みやすく、
しかし、心にじわっと、ずしんと、その時々の長男やお母様の気持ちが心に響く書籍です。

 

(まなびポイント)

通常の「書評」ブログでは、自分的「まなびポイント」を考えて記載しているのですが…
この本に限っては、手に取られたお一人お一人がご自身の気持ちと照らし合わせて、それぞれ考え、感じて欲しいと勝手ながら思ってしまい、迂闊に「まなび」などと私の言葉でまとめたくないというのが本音です。

以下が本書のエピローグで書かれてる著者のメッセージですが、
このメッセージが著者の方のお気持ちを凄く表されているように感じます。

 

私はこの本で悩んでいる人を助けてあげようとか
答えをあげようなんて思っていません

自分の人生は他人じゃなく自分が決めるオーダーメイドだから
お互いに失敗したり笑ったり転がりながら
自分が脱ぎたいものを脱いで歩んでいきましょう

 

感じポイント

「まなび」というよりかは、私が自由に「感じたこと」を書きたいなと思ったので、本書評では「まなびポイント」改め、「感じポイント」として記載します。

 

「不登校=学校に行かない」ということが、なぜここまでお子さんやご両親を苦しめるのか?

 

全てのはじまりは、「普通信仰」とも言える過度なまでの世間の「普通」への執着ではないでしょうか。

「学校に行くのが普通」=「学校に行かないのは異常」

 

文科省は2017年の通称「教育機会確保法」により、「不登校はどの生徒にも起こりうるもの」=「異常ではない」ということを明示しております。

 

この「普通」への執着は、学校教育のみならず「人」を見る目についても無意識のうちに影響を与えているように思えます。

「何歳までにこれができていれば普通」=「何歳までにこれができていなければ異常」

「知能はIQ●●以上であれば普通」=「知能がIQ●●以上であれば異常」

他にも、

「普通だったらできるよね?」「えー、それは”変”だよ」「あなたは”変わっているね”」などなど

「普通」にまつわる会話は知らず知らずのうちに世間に蔓り、知らず知らずのうちに「普通じゃない」とレッテルを貼られた人を苦しめます。

 

そもそも何故ここまで「普通」に執着し、「普通」になろうとしなくてはいけないのでしょうか?
(上記疑問については、心理学や社会学観点から改めて整理して記事にしてみたいなと思うので、詳しくはまた今度書きますね)
「普通」にこだわればこだわるほど、最終的には自分も苦しめられることになると私は思っております。

なぜならば、

全てにおいて「普通」なんて人は存在せず、

さらに「普通」という実態のないものは、変化し続ける為です。
国が変われば、時代が変われば、「普通」は簡単に変化していきますよね。であるならば、「普通」なんてものは存在していないに等しく、こだわるだけ無駄な気がしています。
しかし厄介なことは、私も気づかないうちに「普通」だと思い込んでいることが多くあることです。
ですので私は、多くの方と出会ったり、多くの本を読んだり、多くの映画を見たりして、できる限り自分が「普通」だと思ってしまっている思い込みを無くしていきたいなと思っております。
そして、不登校の子どもの支援という観点では、
不登校である当事者のお子さん、そのご両親、そしてその周囲の方々が、「不登校も一つの選択肢にすぎない」と捉えて、「その子のもともとある魅力が、そのままに発揮され、認められる」ような取り組みをしていきたいなと強く思います。

「学校に行かない君が教えてくれたこと 親子で不登校の鎧を脱ぐまで」のまとめ

私は「不登校」に対する偏見が無くなり、子どもたちが自分にあった未来を選択できる社会になればいいな。
そこにほーーーーーんの少しでも寄与できたらいいな。

という想いからこのブログを書き始め、
現在大学院に通いながら臨床心理士取得に向けて勉強をしているのですが、

今まさに不登校や育児で苦しんでいらっしゃる方が私の目の前にいたならば、
まず第一にご紹介させていただきたい書籍です。

 

 

以下から試し読みもできます!

学校に行かない君が教えてくれたこと 親子で不登校の鎧を脱ぐまで - レタスクラブ
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著者のブログもございますので、こちらもご興味があればご覧ください!

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