不登校になった際、とにかくまずは子どもの状態が心配になるかと思います。
その後、落ち着いてきた際に次に心配になることが「進路」ではないでしょうか。
ということでこちらの記事では、現在学校に行っていないお子さんや、その保護者の方が、
少しでも将来に対して不安が少なくなるよう、不登校時の進路について整理しました。
自分も含め、人が将来に対して不安になる時は、
漠然と「わからない」状態であるからだと思っております。
実際に選択肢としてどのようなものがあって、何に気をつけなくてはいけなくて、
どんなメリットデメリットがあるか、などが詳細に見えていれば、
それだけで不安は多少なりとも軽減されると考え、今回整理しました!
小学生・中学生・高校生の進路一覧
一つ一つの詳細はおいておいて、
まずは全体像を理解したい!ということで整理したのが以下のスライドです。
※国立小学校、中学校、高校は数が少ないため今回は除外しております
小学生・中学生の小学校/中学校以外の居場所について
不登校特例校、教育支援センター、オルタナティブスクール、フリースクールについては、
以下の記事で内容を説明しておりますのでご覧ください。
数は少ないですが、通信制高校で初等部、中等部がある学校も存在しております。
参考:通信制高校ナビ
小学校で不登校の場合、中学進学時に気を付けるポイント
ポイントは以下です。
小学校で不登校状態であっても、
- 学区内の公立中学校であれば進学が可能
- 私立中学校に進学する場合は、出席日数や内申点をどれだけ合否に中学校によって異なる為、
確認が必要であるが、学力が基準に到達していれば進学できることが多い
「都内の学校では7割程度の私立中学は、不登校でも合格および入学が可能」という企業の独自調査結果もあるようです。
中学校で不登校の場合、高校進学時に気を付けるポイント
全日制・定時制・通信制高校の違いについては、別の記事でご説明します。
ポイントは以下です。
- 全日制の公立高校進学にあたっては、
学力試験・中学校での出席日数・授業態度などを記載した内申書が合否の判断基準になる為、
中学校で長期に渡り不登校の場合、進学の難易度は高い
公立高校への進学を考えており、教育支援センターやオルタナティブスクール、フリースクールに通学している場合やホームスクールの場合には、
事前に在籍中学校の校長に「出席扱い」として認めてもらえるかの確認が重要です。
ただし、「出席扱い」となったとしても内申点への反映が難しい為、現実問題としては公立高校への進学は難易度が高いのが実状です。
- 全日制の私立高校進学にあたっては、
公立高校よりは内申書の影響力が少なく学力試験に重きをおいている為、
勉強に励むことで進学はしやすいが、その程度も高校によって異なる
- 通信制の高校進学にあたっては、
公立高校よりは内申書の影響力が少なく学力試験に重きをおいている為、勉強に励むことで進学はしやすいが、その程度も高校によって異なる
公立の通信制高校はまだ全国に76校(2023年時点)と多くはありません。
私立と比較すると学費が安いメリットはありますが、登校日や単位取得のための時間割を自身で管理しなくてはならず、それが理由で私立に転校する方もいらっしゃるようです。
詳細は以下のページをご参照ください。
参考:通信制高校ナビ
不登校時の公立/私立 中学校/高校の進学の難易度
上記ポイントをまとめつつ、不登校時の中学校、高校へ進学の難易度をまとめました。
ここでの難易度とは、「不登校」であることによる制度的な難易度を指します。
不登校の場合の学校種別の進学難易度の傾向は以下になります。
不登校時期 | 進学先 | 難易度 |
小学生 | 公立中学校 | 低 |
私立中学校 | 低 | |
中学生 | 公立高校 | 高 |
私立高校 | 中 公立高校よりは内申書の影響力が少なく 学力試験に重きをおいている傾向が高い | |
通信制高校 | 低 |
小学生・中学生・高校生の不登校の進路ガイド まとめ
学校に行けなくなると、将来大丈夫なのかな?と不安になることもあるかと思いますが、
実際には様々な選択肢が存在します。
ただし、もちろん「ある選択肢を取ったら、その後の選択肢が減る」可能性もあります。
しかし、“普通”の選択肢や、”選択肢が増え続ける選択をすること”が正しいのでしょうか?
「それで僕らは一体いつ“選ぶ”んだろう」
良い高校に入るということはよりたくさんの大学へ入れる選択肢を広げることであり、良い大学に入るのはよりたくさんの会社へ入れる選択肢を広げることである”とばかりに子どもの頃からずっと、そうやって選択肢を広げつづけてきて。
だけどその広げた選択肢の中から
このままでは一向に”選ぶ”ことをしないように見える、そういう人たちも多い気がする」
上記は不登校を経験された末富晶さんの著書「不登校でも大丈夫」の中での一節です。
こちらの記事が、不登校となったお子さんが、
“ご自身にあった進路をご自身で選択する”一助になることを願っています。
末富晶さんの著書「不登校でも大丈夫」はこちら!