話題の青春ジャズ映画、配信サービスに登場しましたよね!
(Amazon prime、Netflix、U-next、hulu、DMM TV等幅広く配信開始したようです!)
映画館で見そびれましたので、早速見ました!
今回は、「BLUE GIANT」です。
(※ネタバレありです)
「BLUE GIANT」のあらすじ
世界一のジャズプレイヤーを目指す主人公のサックスプレイヤー宮本大が、
ライブハウスで出会ったピアニス沢辺雪祈、高校時代の友玉田俊二とバンドを組み、
日本一のジャズクラブ“So Blue”への出演を目指します。
「BLUE GIANT」の感想
「”熱さ”」を思い出させてくれる作品でした。
演奏シーンからも、エピソードからも。
ということで、以下感想を自分なりに深めてみます。
ジャズを知らなくても楽しめる、圧巻の演奏シーン
“音楽”というものを、音を用いずに表現する、ということはとても難しいことであると思いますが、
その制約の中で実現された作品にいくつか出会ってきました。
代表的な作品だと、恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」はまさに「音が聞こえてくる」という表現がピッタリくる作品ですよね。
私は「BLUE GIANT」の漫画は拝読していないですが、
この人気ですので「BLUE GIANT」もその一つだったかと想像します。
その場合に、音を用いずに”音楽を表現する”ことに成功した作品を映画にした際、
実際の”音を聴かせる”ことで同様の感動を湧き立たせられるのか?という点については
高いハードルがあるように思います。
本作品はそのハードルを乗り越え、
“音楽”を”音”のみでなく、
懸命に演奏する演奏者の表情や動き、振動や汗、
その演奏の背景にある演奏者の歴史や想い、
そしてその場にいるそれぞれの観客の想い、
それら全部が混じり合って醸成される場の空気感とそれによって引き出されるイメージ等
総合的に”音楽”を表現することに挑戦した作品なのだと感じました。
きっと直接音楽を聴きに行った時、上記の体験は「統合された状態で感覚的に体験する」のだと思います。
しかしそれを映画という形で、シーンを切り取り、ある種わかりやすく(多大なる工夫と労力によって)描写されたものを受け取ることで、“音楽”に含まれた様々な要素をより意識的に体験できる感覚が私にはありました。
この経験を経てジャズを聴きに行ったのであれば、また感じられるものが増えるでしょうし、
直に感じる振動や空気感など、逆にまた映画では体験できなかった感覚を得られるのだろうなと、
早く生でジャズを聴きに行きたい気持ちが高まりました。
実際には、映画を見ている最中は、そんなこと考えておらず
「わあ、熱い!カッコイイ!」って感覚でしたけれど!
そのシンプルな感想のままでもいい気もするんですけど、せっかくブログにするのであれば、「なぜあんなにも熱く感じたのかな?」ということを、1日経って改めて考えた時に上記のように解釈できるかなと思った次第です。
見せたい内容を絞りこんだ、疾走感ある展開
漫画自体はもちろんもっと内容が多く、家族の話、恋人の話などなど本映画では含まれていなかったエピソードが多々あるようですが、潔いほどにカットされておりました。
それも本映画では上記のとにかカッコ良くて熱い「演奏シーン」「夢へ向かう軌跡」「仲間との関わり」に焦点をバチッと当てていたのだと思います。
漫画を読んだ人と話すと、上記のカットされた要素も良いシーンがふんだんにあるようですが、
映画のみを見た人間の感想としては色々詰め込まずブレがなかったからこそ、
一瞬の無駄もなくずっと熱い気持ちで最初から最後まで見ることができました。
「BLUE GIANT」の好きなシーン / セリフ
人気もある程度出てきたあるライブ終わり。
出待ちの多くが大や雪祈に駆け寄る中、
初日から欠かさずライブを見にきてくれていた老人が一人玉田に歩み寄ります。
二人とは異なり、初心者でドラマーとなり技術的には劣る玉田に対してかけた一言。
「良くなっている。ボクは君のドラムを、成長する君のドラムを聴きに来ているんだ。」
たまらないですね〜。
この世に一人でも、自分の努力を知っている人がいるだけでどんなに救われるか・・・!
おまけ
実は一番心がゆさぶられそうなエピソードについては、何も触れておりません。
というのもあのような物語の展開は個人的に好きではない(というか辛い)ので・・・
しかしあのエピソードによって、映画の宣伝ポスターにある
「二度とないこの瞬間を、全力で鳴らせ」の言葉が更に胸に沁みます。
もっと何かに熱くなり、懸命に生きたいと思わせるパワーがある映画でした!
さて、父親ジャズを聴きたいとずっと言っていたことを思い出したので、
今すぐ連絡しようと思います。