【ひとりごと】”学びを深める”関わりをするためには、自身の知的好奇心が大事なのでは?ということについて

ひとりごと

先日NHKの「学校のみらい」の見逃し配信を視聴した際、
「自分の好きなことを学べる場」「学びたいテーマを自分で選んで学ぶ」等といった文言が出て来ました。

 

VTRの中では、好きなことを学んでいる生徒たちが生き生きと目を輝かせて”学び”に向き合っている様子が映し出されます。

しかし一方でそれを実現するには、「カリキュラム上難しい」「その授業をする自信がない」といった教師の方々の発言も取り上げられました。

実際に私も「探求学習」に携わらせていただいたこともありますし、日々学校を休んでいる子どもたちと接する中でその難しさを体感しています。

 

ということで今回は、

どうやったら「自分の好きなことを学べる場」「学びたいテーマを自分で選んで学ぶ」が実現されるのか?を探る為に、

「学ぶこと」「学びを深める方法」「学びを深める関わり方」について考えていきます。

 

学力=「学ぶことができる力」とは?

ひょんなことから中学生の国語の教科書に載っているらしい、内田樹さんの「学ぶ力」に関する文章に出会いました。
残念ながら耳で聞いていたので正確な文章ではないですが、要点は正しいと思うので以下引用します。

学力とは?=「学ぶことができる力」

=「学ぶということに対し、集中し、夢中になれる強度、深度」

引用:内田樹「学ぶ力」

現在「学力」と聞くとテストの点数や偏差値といったものが一番に浮かぶかと思いますが、本来的に「学力」とは「学ぶことができる力」であり、具体的には「集中し、夢中になれる強度、深度である」はずだという主張です。私自身こちらについては納得感がすごくあったので、一旦先に進めます。

 

どのようにして「学ぼうとする力は深まるのか?」

次に、上記が学力の定義だとした際に、どうしたら「学ぼうとする強度・深度が深まるか?」という問いが出て来ます。

内田樹さんの「学びを深める3つの視点」

内田樹さんは、以下の3つを挙げています。

①学び足りなさの痛切な自覚
②師を作る(実際の先生に限らず故人でも、道ゆく人でも書物でも)
③師が教えようと思える開放性(師を教える気にさせる姿勢、態度)

 

学びを深めるステップ

授業の中で「どうしたら『学ぼうとする強度・深度が深まるか?』」という問いが発せられ、興味深いので上記内田さんのご意見を聞く前に自分なりに考えてみました。

①知らないということを知る(これについてわからないなあ)
②知的好奇心を持つ(これについて知りたいなあ)
③学ぶ方法を知る(こうやって学んでみよう)
④実際に学ぶ(学んでみる)
⑤学んだことを振り返り、また①に戻る(面白いなあ、難しいなあ)

学びの強度、深度が深まる過程をステップに分けてみた整理です。

上記ふまえ、「どのように関われば、学びが深まるのか?」を考えてみたいと思います。

 

どのように関われば、学びが深まるのか?

上記①〜⑤のステップを踏むために、どんなことが必要かを考えます。

①知らないということを知る(これについてわからないなあ)
→このステップは、子どもの場合にはごく自然に理解しているように思います。(大人の場合は・・・)

②知的好奇心を持つ(これについて知りたいなあ)
→知的好奇心を持てる環境(自然、図書館、博物館、書籍、人物、等々)との出会い

③学ぶ方法/学ぶ観点を知る(こうやって学んでみよう)
→学ぶ観点/学ぶ方法の提示

<学ぶ観点例>
・なんで?いつ?どこで?どのように?〇〇なのかな?
・歴史的に見るとどうなのかな?/他の国ではどうなのかな?

<学ぶ方法例>
 ・この本を読んでみると良いよ!
 ・実際に実験してみる?
 ・実際に見に行ってみる?実際に話聞きに行ってみる?

④実際に学ぶ(学んでみる)
→学ぶ機会の提供
 ・実際に本を渡す
 ・実験器具、実験環境を用意する
 ・社会科見学、インタビュー等をする

⑤学んだことを振り返り、また①に戻る(面白いなあ、難しいなあ)
→学んだことを振り返る機会の提供
 ・学んでみた感想を聞く
・共に学んだ人との意見交換をする

自分で記載してみて、①⑤は学びを進めるなかで無意識下に行われることのように感じたので、
深めるステップとしては入れなくても良いかもとも思いました。
ポイントとなるのは、②③④になるかと思います。

 

学びを深める関わりの、何が難しいのか?

とした時に、私含め教師の皆様方が「好きなことを学べる場」を実現する際に「難しい」と感じてしまう要因は何なのでしょうか?

1つ目は「どうやって学びが深まるのかがわからない」ということかと思ったので、
だからこそ今回学びを深めるとは?ということについて考えてみました。

それを考えてみたうえで、今私が改めて感じたことは
2つ目としては「学ぶ観点、学ぶ方法の提供が難しい!」ということです。

トカゲに興味を持った子。
韓国アイドルが好きな子。
AIに興味を持った子。

それぞれの子にどのように、学ぶ観点、学ぶ方法を提供しますか?
記載していて思ったのですが、

「学ぶ方法」については、「学ぶ観点」さえ定まれば導き出せるように思いました。

「トカゲかわいい!捕まえてみよう!」と思った子が

「トカゲとヤモリってどう違うのかな?」と疑問を持ったならば

「実際に捕まえて比べてみようか?」なのか
「図鑑借りてこよう!」なのか
「インターネットで画像/動画見てみよう!」なのか
どれであれ、学ぶ手段は考えられそうです。

上記のように、疑問がどんどん浮かんでくる子であれば、学びを深める関わり方ができそうです。

 

しかし疑問が浮かんで来ない場合は…

「こうやって比べてみたら面白いかも?」「これってなんでなんだろうね?」という学びを深める観点のヒントを出すことが有効であるのではないでしょうか?

学びを深める観点、どんどん出て来ますか?

とした時に、

「学びを深める関わりに必要なのは、
学びを深める手助けをする人自体の知的好奇心なのかもしれない!」

というのが今の私考えです。

試しにそこを意識して、関わってみて、また考えが変わるかどうかを確認してみようと思います。